私がはずしたこの一手5(解答編)

正解図

 正解は黒15−四のグズミ継ぎです。今回もjiroさんが見事正解でした。今回あたりは、はずして戴けると筆も弾んだのにと思いますが天晴れです。先生からご指導戴くまで全く気付きませんでした。先生は私の打った16−二(かささぎさん、SIROさん、JYUNさんが打つといい、パパさんがこの問題の肝と喝破され!、jiroさんは賢明にその非を悟られた!)この手を「悪手とかひどい手」とかの直接的な表現こそしませんでしたが、婉曲的に「無駄な罪深い手」であることをご指導してくださいました。理由は明らかです。@右上隅の白をはっきり生きさせ、周りからのキキアジを少なくしている事 A白に16−二に引く形を与えても上辺の攻め合いには関係しないこと(黒13−一に継ぐ形があり目あり目なしの押す手なしとなる)A白14−五アテから上辺白に策動の余地を与えている事。(白アテー黒ツギがあっても白17−二と抑えて隅を生きる手が残っている)

実戦図

 実戦図を示します。かささぎさんとは前問と言い、今回と言い波長が合いますね。私は罪深い手を打った自覚もなく、先生も14−五とアテ、振り替わってただあらすだけの手は避け、私の読み筋通りの進行となり黒5に切りました。この手は2子のシチョウと7の取りを見合いにした手です。周りが厚いので黒5、黒7で2子が取れているのが自慢です。(白10−二にオサエても黒9−三と外から行って目あり目なしの押す手なしの形になります。)白は6.8、10と右辺の黒にヨリツいてきました。この時黒1とハネ出してカミ取らせた手がひどい手になっているのが分かります。また白14とアテられた時もツイデ頑張るべきでした。黒は中央を大きく征し、地合いでは負けない形勢ですが、下辺が結構な白地となり(その代わり黒は中央がまとまり)盤面持碁という結果でした。

変化図1

 パパさんご指摘の白が11−五とシチョウ風に追っていく図は、黒ポン抜く形が気持ちよく、白は絶好の攻撃目標を作るだけなので多分打ってこないだろうと思っていました(変化図―1)。
たくせんさん、JYUNさんご指摘の直接11-四に切っていく手は、いろいろなアヤ(14−五にアテがきくとシチョウでなくなるとか、パパさんご指摘の手とか)があり、怖くて打てないように感じますが如何ですか?(ということで黒1のハネダシから形を決めようと思った訳ですが、単に黒15−四でした!)
 パパさん、jiroさんの10−二にハウ手は、強豪のお二方のご意見なので傾聴に値するとは思いますが、ここに打ったらこの碁は勝てそうもないとの直感があり、また実戦譜黒5.7が見えていたので頑張った次第です。
 亜Qさんの13−六と睥睨する手。かっこいい手ですね!亜Qさんならではの発想に感服します。ただ私にはとても打てません。というのは白からの11−五のカケツギや13−六のトビツケが上辺の攻め合いにすべてきいているので、白ツケ(12−六)からの二段バネ等打たれると簡単にサバカてしまいそうで、なかなか実が見えないからです。

変化図2

 最後に前回の問題の宿題(単に黒12−三の打ち込み)に戻ります。私の研究では単に12−三に打ちこむと、黒7−六のキズがあるので左からハネ出せないと思います。(白9−五のノゾキがきくので、黒11−四に切る手がないからです)従って、右からハネ出すしかなく、この時の定形を変化図2に示しますが、まだ7−六のキズが残っていて、さっぱりではないですか?
 かなり独断の部分があるかと思いますが、ご意見拝聴する機会があればと思います。私が全く気付かなかった手は皆さまもなかなか気づかない事が分かりましたが、また同時に強い方はごく自然に分かるものなのですね。皆さまのご協力で私も楽しむ事ができました。以上お付き合い戴きありがとうございました。

梵天丸

(2013.3.15)


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