ミニ中国流の新手


図1 図2
図3 図4
大矢浩一九段によると、最近、プロの棋戦でミニ中国流がめっきり打たれなくなったという (週刊碁2002年1月21日号)。これは、依田名人の打った手を参考にして、 ゙薫鉉九段が富士通杯で打った新手(図1、実戦とは異なる)による。

ところが一昨日(1月29日)の第3回農心辛ラーメン杯第11局 対兪斌戦で、゙九段は 黒番でミニ中国流の布石を引いた。自分自身の編み出した白の新手に対して どのような対策を用意しているのかと思ったら、白のワリウチに対して、 上からツメずに、なんといきなり横ツケ。以下、図2のように進行した。 黒は両方を打った形だが、白の厚みもナカナカである。この別れはどちらが良いのか、 私には全く解らないが、とにかく見ていて面白い。

最近は、゙九段にしろ林海峰九段にしろ、ベテランの碁の方が過激で、若い人の 碁の方が地味である。若い人のもっと過激な碁が見たいものである。

かささぎ

(2002.1.31)

追伸

この新手の初出はいつかと思って少し調べてみると、下辺の形は少し違うが、゙九段 自身が1月22日の韓国の棋戦であるKT杯で打ったのが見つかった。図3がそれである。 覚九段が韓国棋士にとっては国内棋戦は国際棋戦のためのテストの場だといっていたが、 これがそのテストだったのか。

と、思っていたら、今日の農心杯最終局で周鶴洋九段が李昌鎬九段にこの新手を用いた(図4)。 10日でこれだけ進むとは、日本棋士にとってもフォローするのが大変なのではないかと 要らぬ心配をしたりしています。

(2002.2.1)


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