林定石の研究その1(小林健二 七段監修)


村正の妖刀からの代表的な別れである。

シチョウ白よしの場合、カケツギに代わって、白11のサガリが地が大きいためよく打たれる。 その後、左上隅におけるシチョウアタリをめぐる戦いとなる。

シチョウ白よしの場合、黒1と切られ、以下黒15とカケられても、白16で脱出できる。

隅のカケツギやサガリを打つ前に、白1と押すのが林定石と呼ばれるものである。

通常は黒1とノビられ、よくないとされているが、

シチョウやシチョウアタリを気にすることなく、白1のサガリが打てるのが利点である。 この後、黒は左下隅にカカッテいくことになる。

黒1切られても、シチョウにかかわりなく、白3子が取られることはない。

途中、黒1と曲がる変化に注意しなければならない。以下、白10まで、必然である。

黒1とハネると、以下黒7までが予想される。 この結果は、黒先に2子を損し、隅もコウ残りで黒やったとはいえない。 黒3で黒Aとカケツグのは次に示す変化と同じになる。

全図黒1のハネの代わりに、黒1とカケツグと、黒5のホウリコミまで必然。

ここで白1とひとつ曲がっておくのが肝要で、以下白13まで、白の取り番のコウ。 この後、白はコウに勝って、黒はどこかを2手打つというフリカワリになる。この結果はやや白よしである。
(白11:2子取り、黒12:取り返し、白13:白5の左)

すぐに白1と打っても同じようにコウとなるが、 黒の地と眼形が上の図と違って来、今度は黒ややよしの結果となる。
(白9:2子取り、黒10:取り返し、白11:白3の左)

つづく


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