シューコー先生の次の一手(8)

問題図 「白模様が大きい」
黒:中小野田智巳、白:青木喜久代

秋の夜長はまだ続きます。皆様をお悩ませした(7)と裏腹の関係とも言えそうな問題があるので、引き続き「シューコー先生の次の一手(8)」にチャレンジしていただきたい。

出題図は、黒が中小野田智巳九段、白は女流タイトルの常連、青木喜久代女流棋聖。(7)と黒白が逆ですが、白26まで左上の長い定石から生じた模様が似た風景に見えます。黒27は白模様を大きく制限し、右辺で対抗しようという大場。白は28カカリから右下で治まりました。シュコー先生は「白30ではa(12−十六)から持っていくのも有力。右下をサバいて、白b(9−十五)を狙う」との別の考えも示されましたが、もちろん譜の進行も一局。白34のハサミに黒は手を抜いて35と左下の荒らしを敢行。これは「左上の白模様を消す手がかり」(シューコー先生)だそうです。

問題は、白38まで右下を受けた局面。以下、シューコー先生のヒントをはしょらずそのまま転載いたします。「左上の白の厚みは、左辺へのヒラキで大模様をつくっている。黒の上辺は確定地だが、左辺に比べてスケールが小さい。黒は白模様が確定地になる前に消さないといけない。左下の黒二子を治まるだけでは十分とは言えない」。そこで諸兄に黒39をお考えいただきます。(7)が「模様の守り」なら、(8)は「模様の消し」。二問を対比させていただければ、一層興趣が湧くと愚考いたします。ついでながら愚生が蛇足を加えれば、正解は「三手一組」、すなわち黒39を黒1として、白2、黒3、白4、黒5までを示していただければありがたいと存じます。

亜Q

(2012.10.18)


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