バドゥークTV

仕事で釜山に一週間ほど来ています。高層ビルが乱立し、建設ラッシュの形相を示しています。ホテルでテレビをつけて、何か面白そうな番組はないかと探していたら、バドゥーク(囲碁)TVというチャンネルがありました。韓国語は全く分からないのですが、5人対5人の団体戦がライブで中継されていました。同時に5組の対局があるのではなく、1局ずつ順番に行われ、順番に放送されます。日曜日の夜のゴールデンタイムに対局が行われていて、しかも、それがライブで放送されていたことがうらやましく思えました。

水曜日に忘れ物をとりにホテルに戻ったときに、ちょうど井山名人と古力九段の博賽杯金佛山国際囲碁超覇戦の決勝戦が放送されていました。実際の対局をそのまま中継しているように放送されていていました。画面に出てくる手が包まれているスーツの色も井山名人に合わせてちょっと明るめの青になっていましたが、石を置く手が右手だったので、すぐに別の人が打っていることが分かりました。それでも、テレビでリアルタイムで解説付きで放送されていることは、日本人としてうらやましい限りでした。

解説の仕方が面白かったので紹介します。日本では大盤を使っての解説がほとんどですが、バドゥークTVでは、実際の碁盤にスーパーインポーズして、パソコンの画面が重ね合われます。マウスポインタが出てきて、マウスをクリックすると碁石が実際の画面に重なって表示されます。右の写真で三角印の付いているのがパソコンで打たれた石です。他の盤石は実物を映したものです。これを用いて解説がなされます。

その夜、ふたたび、解説付きで井山−古力戦の放送がありました。韓国語を解せない私としてはもったいない限りでしたが、参考図をたくさん並べてくれるので、少しだけ雰囲気を感じることができました。解説者が、盛んに、右上隅の18四の手に対して、18三の位置を指していました。そこに打っていれば、古力が少しよかったのかもしれません。韓国語の分からない私には残念ながら理解できませんでした。

夜になっても毎日何かしらの棋戦のライブ中継があるので、ホテルでは仕事ができませんでした。とにかく、毎日ゴールデンタイムに対局があり、それが中継されているのが驚きでした。今日もKB何とかという団体戦のKIXXチーム対HANGAMEチームの2回戦が放送されていました。

かささぎ

(2011.5.20)


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