敗者へのいたわり

2連勝で迎えた3局目の終盤。私は自分の対局が早く終わったので、亜Q氏の対局を後ろで見守っていました。亜Q氏の白番。白が盤面で10目以上のリード。あとは半劫を残すのみ。勝負がかかっていなければ、黒はとっくに投げていただろう局面。協和発酵杯を引き継いで、今回が第1回の宝酒造杯。二人とも、時間切れが迫っているような打ち方。あとから見てみれば、亜Q氏はまだ5分以上持ち時間を残していた。半劫なんか譲っても圧倒的に白の勝ち。それを、最後まで半劫を争う。この気持ちは責められない。私もよく分かる。何度かの劫立てのあと、黒の劫立てに白が受けた次の瞬間、黒の取られていた2グループのに大石が生き返った。ここで、潔く、亜Q氏の投了。その後、お互いに半分気の抜けた対局を相手には失礼ながら、1局打って、わざわざ応援に来てくださったyoshihisa氏と反省会。亜Q氏の言い訳が奮っていた。私を気づかってなのか、また、私を出汁にしようとしていたのか、「敗者への言葉」を題材にどのようなタイトルで文章を書けばよいかを考えていたそうである。きっと、前者なのでしょう。亜Q氏の優しい心遣いに乾杯。

かささぎ

(2008.5.11)


もどる