井山八段大和証券杯表彰式

棋院のホームページから申し込んだ第1回大和証券杯ネット囲碁グランドチャンピオン戦の表彰式・祝賀パーティーへ行ってきました。優勝者は時の人、井山八段。会場は丸の内の銀行倶楽部。火曜日に羽根直樹本因坊の就位式があったのと全く同じ場所だそうです。まず、岡部理事長、大和証券の執行役後藤氏、師匠の石井九段の祝辞、井山八段の挨拶がありました。その後、工藤九段の乾杯の挨拶でパーティーが始まりました。

ネット碁の表彰式ということで、祝辞の話題は井山八段と石井師匠との間のネット碁の話が多くありました。小学2年生で石井九段の弟子になってから、自宅が遠いので、主にネットで対局したということであった。岡部理事長からはネット碁の先駆けで、このタイトルを取るべくして取ったという話がありました。師匠の石井九段からは、もう、囲碁は教えられないので、それ以外のこと、酒は20歳まで飲むな。タバコは20歳過ぎても吸うなと、教えていると。工藤九段の挨拶では、これまで、いくら打っても100局ぐらい打ったのかなと想像して、石井九段に対局数を尋ねたら、約1000局ネットで打っと聞いて、驚いたという。その割には、石井さんは強くならないねと、茶々を入れるのも忘れてませんでした。

パーティーで石井九段とお話しする機会があり、井山八段との色々な話を聞かせていただきました。ネット碁はどのくらいの持ち時間で打つのですかとたずねると、各1時間秒読み付きで、1日2局打ったとのこと。打った碁の棋譜を付けさせて、問題点を自分で考えさせ、変化図まで作らせて送ってこさせたとおっしゃっていました。直接会っていると、振り返って考える時間なしに、すぐに答えを聞いたり言ったりしてしまうことになっていたと思うので、かえってそれが良かったのかもとのことでした。最初のうちは、電話で囲碁用語を用いて説明しても、理解できなく、おじいさんに通訳をしていただいたそうである。一度だけスランプに陥ったことがあると。それは入段前、攻め中心の碁だったのだが、勝つにつれ強い人と当たり、なかなか勝てなくなった。そのときに、石井九段が守らなければならないところは守らなければならいといってから、それを意識して、バランスが崩れ、全く勝てなくなったことがあると教えて下さいました。井山君がまだ追い越していないこととして、九段、本因坊リーグ入が残っていると。10年後ぐらいには世界チャンピオンになることを期待しているというようなことをおっしゃっていましたが、そんな悠長なことでは、2、3年後にはと注文をつけさせていただきました。

少しだけ、井山八段ともお話する機会がありました。いつも静かで、落ち着いた雰囲気ですね。前に一度、関西総本部を訪れたとき、若手を集めて研究会をされていたのですが、そのときも静かに話をされていましたよ、と聞いたのですが、そんなことはないとおっしゃっていました。あまり想像がつきませんでした。祝辞で体力をつけるようにという話があったので、身体は動かしているのですかとうかがうと、関西総本部の野球部に入っているということでした。ポジションはとたずねると、手合で忙しくて、なかなか試合にでられないので空いたところに入るそうです。棋聖戦の挑戦者決定戦は、また張栩さんが出てきそうですねとたずねると、僕もそう思いますという返事でした。

今回の北京での第1回頭脳オリンピックの代表にもなっていたが、名人挑戦のために、キャンセルになったそうです。岡部理事長もいっていましたが、名人になれば、国際棋戦出場はシードなので、この七番勝負は是非頑張って欲しいものです。

かささぎ

(2008.9.12)


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