新年会

 16日は今年最初の千寿会。千寿先生と会うのは今年二回目。

 一回目は11日で、ピアニストの山下洋輔さんを囲む新年会。わたしは山下洋輔さんをゲストにした碁会だと思っていたが、碁の方がおまけだった。
 場所は新宿の白龍館。元院生の村井真理子さんがご家族で経営している料理店だ。店内は大きなピアノが目を引く。
 入ると何人かワインを飲みながら談笑していた。一画で一組が碁を打っている。その一人が山下洋輔さんだった。
 わたしは隣に座り覗き込む。間もなく相手が見つかり碁を始めたが、ほとんどの人は談笑のみ。
 小川誠子六段・大澤奈留美四段・武宮正樹九段も姿を見せる。隣では女性同士が対局を始めた。
 間もなく山下洋輔さんがピアノを弾きはじめた。生のピアノの迫力は、音痴のわたしでも判る。引き込まれた。武宮正樹九段のダンスなどもあった。

 その新年会で、隣で打っていた女性の一人が、16日の千寿会に来た。わたしの白で対局してみたが、わたしの敗勢で打ちかけになった。神田陽子さん(写真右)が講談を読む時間になったのだ。
 陽子さんは二代目神田山陽門下、入門して30年になる。16日の読み物はある芸能譚。大阪の舞台をしくじった役者が、18年の苦労ののち、江戸で大成するという話。
 わたしも生の講談は数十年ぶりだ。初めは講談の定席本牧亭だった。畳の部屋で、混むと足も崩せないので、一度で行くのをやめた。間もなく本牧亭はなくなった(改築だったらしい)。そのころ人形町末広もなくなっている。その後は寄席で講談を何度か聞いたが、寄席にも行かなくなり遠離っていた。
 陽子さんは、2月16日~28日に、博品館劇場の「友情 秋桜のバラード」に英語教師の役で出演する。
 陽子さんは手談(碁)もたしなむ。

 さてある碁を紹介しよう。わたしは正確に覚えていないので申し訳ないが、その趣旨だけ読んでほしい。白は村井真理子さんの父君だったと思う。黒は千寿会のIさん。

 もちろんこの白の打ち方は勧められないが、面白いアイディアだと思う。結果は大石が死ぬことになり、布石に関係なく実力通りになった。

謫仙(たくせん)

(2010.1.18)


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