千寿会に“東の貴公子”が参加

小林覚研究会での貴公子(中央)

 6月7日の千寿会に、小林覚研究会の若きキャプテン、高梨聖 健八段が出席されました。スリムなスーツをピシッと着こなし たダンディーな姿は、まさに棋界の“東の貴公子”。

 17歳で入段、この5月で32歳。厚い棋風は覚譲り。日本が育 んできた美学を継承する若き旗手。今年の戦績は13勝4敗、毎 年高い勝率を上げて順調に昇段を続けてきました。仲が良い友 人は同世代では山田規三生八段、後輩では金秀俊七段ら。

 聖健八段に強いと思う日本の棋士を聞いたところ、3人の名 が挙がりました。「最近急速に力をつけている山下敬吾棋聖」 「実にしぶとい王立誠十段」「感覚が素晴らしい覚九段」。私 がびっくりしたのは次の言葉。「そのほかの棋士は誰であれ、 すべて対等な気持ちで打てると思います」。「少し前まではビ ッグネームに会うと初めから負け犬根性で打っていたけれど、 最近はそれが無くなりました」。ウーム、これははじける予感 !

将来へ向けた青写真もしっかり描かれていました。「後185勝 で200勝、九段です」。ま、これは5年計画になりますが、それ より前にリーグ入りして大ブレークするのではないか、そんな 期待が頼もしい言葉から伝わってきました。

 アマとの指導碁は「互い先感覚で容赦なく叩く」がモットー 。甘いマスクに隠れた勝負根性は強豪アマの父親譲りらしい。 弟さんは花形の競輪選手、妹の聖子(しょうこ)さんは現在プ ロを目指して修行中。三人兄弟すべてが勝負の世界に挑ん でいます。 この聖子さんがなかなか美人との評判(ケーブルテレビの碁の 番組に出ていますから、ご存知の方も)。実力のほどを尋ねる と「僕に3子置いてまだ勝ちきれない。2子で勝てるようにな らなければ入段は難しい」と評価は辛口。でも、「教えている とつい甘やかしてしまうし、妹も甘えてくるので…」と10歳ほ ど年齢が離れた妹がかわいくて仕方がない様子。この兄妹が囲 碁普及に大きな貢献をする日は近いかもしれません。事実、当 サイト2003.5.3付かささぎさんの記事を見たテレビ朝日から 聖健八段に取材がかかり、「男の背中」をモチーフにした番組 が近々放映されるとのこと。上半身裸の聖健八段の雄姿がみら れそうです。

ところで、聖健八段はまだ独身。好みを尋ねると「自分がガリ ガリだから少々ぽっちゃりしたタイプがいい」とのこと。付き 合っている人はいないそうですが、「棋士同士なら理解が深い 」と何やら意味深長。N澤A子、T.A子、I.Y子、M幡T子さんあた り、名乗り出でられてはいかがでせうか?

亜Q

(2003.6.8)



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