亜Qの迷宮~その3(黒28~白39)

第2譜(黒28〜白39)

梵天丸さんは「中央の白の厚みを活かさない手を打ちたい」と言われ、右上または右下のシマリを推奨されました。右上なら手堅く17-六に小ゲイマ締まり、右下は白からの圧力が相対的に小さいが13-十七あたりからの打ち込みを予め防ぐ意味で14-十六2間ジマリ。たくせんさんも右上と右下を指摘されましたが、「右上の黒が星なので…」とシマリにやや消極的なニュアンス、右下ならがっちり15-十七小ゲイマ締まりと、梵天さんとは微妙に見解が異なるのがおもしろい。

さらにたくせんさんは、(「亜Qは打たないだろうが」と予測されたうえで)左上の戸締りと、左下白一団への利かし味を見て左辺を止める手に言及されました。

この局面、愚生はまことに生意気なことに、白がうっすらと構築した中央の壁は薄いと評価して寄り付きを楽しみにしていました。打ちたかったのは、左上と右上。左上は実利がベラデカだし、右上を締まれば白への攻めが狙える。締まるにしても小ゲイマではなく十六-七と高い2間ジマリ。当然右上の地は甘いが、白が今三々などに進入してくれば黒の外が厚くなり「中央の白がぼろぼろになりますよ」と(まことに僭越ながら)主張したかった。せっかくプロに教えていただく機会ですから、実利確保より攻めを優先してこちらを選択しました。

実は左辺を2-九あたりに止める手もチラッと考えないではなかったけれど、白は絶対利いてくれないとみて廃案。白から右下への打ち込みについては、黒からは8-十五にノゾキの利き味が保険になっているので、白13-十七あたりからの打ち込みには黒15-十七に迎え撃てば、中央の白にも障って来るはずだから十分戦えると楽観していました。

次の白29は当然のように左上4-三小目。私は思わず「右上と左上ではどちらが大きかったのですか?」と令文先生に聞きましたが、「それはわからん!」とそっけないご返事。どちらも一局ということでしょうか。さて、黒は中を大事にして5-三と外を押さえましたが、令文先生によると3-三に内オサエの方がやや辛(から)かったらしい。後に左辺を止める手が大きくなるのが魅力ということでしょう。その意味で、白33と両バネした局面で黒34の外切り(6-二)が正しく、内切り(4-二)はないそうです。

以後、黒38までバタバタ進み、ここで白から8-五(39)へツケコシ!この時点ではまったく想定していなかったので、悩みまくりました。ところが何と、ひねくり出した次の黒40は本局で令文先生が最も褒めてくれた手となり、盤上は意外な方向に突き進みます。この局面で皆様はどう打たれるか、拙い碁をさらしてしまった「迷宮」を次回で閉じるべく、ご意見を拝聴したいと存じます。次の手に限らず、全体への厳しいご批判や今後の展開予想も大歓迎です。どうぞよろしくお願いいたします。

亜Q

(2011.11.14)


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