快傑マイケルが宮城谷昌光氏と対談

『文藝春秋』最新号に、マイケル・レドモンド九段と中国文学の巨匠、宮城谷昌光さんとの対談が掲載された。この手の“快挙”にはなるべく反応することを旨とする亜Qはさっそくマイケルにエールを送信したところ、“快傑マイケル”から返信が届いた。思えば、千寿会に講師としてマイケルが出席されたのはもう1年半ぐらい前になる。マイケルが気さくに千寿会後の飲み会で語った“酒飲み話”を本サイトでご紹介した後、ほぼ1年ほどの歳月を経て『週刊碁』が新たにスタートしたコラム「棋士の本棚」にマイケルを登場させた。「日本語、特に難しい漢字を覚えるために、三国志を始めとする中国の武将を描いた文学を夢中になって読み漁った」というマイケルの読書暦が連載コラムの初回を飾った。そして数ヶ月経過して、大メディアの文藝春秋が取り上げた。せっかくの機会なので、マイケルからの返信の内容を、本サイトを時折覗かれる変人諸兄にもご覧いただきたい。

まずは、亜Qからマイケルへの送信。

宮城谷昌光さんとの対談を拝読。
今や押しも押されぬ大作家があんなに嬉しそうに米国国籍の囲碁棋士と語らっている姿に、愚生も感激しました。

マイケル先生はどこまで意識されているかは知りません。
しかし、囲碁界だけでなく、より広く日本、そして中国を含む国際的な文化交流に貢献されているのだと思いました。

思えば、『週刊碁』が今年スタートした「棋士の本棚・第1回」に登場されたのがきっかけでした。
今後も、囲碁界にとどまらぬご自身の影響、生きていかれる意味を広げ、充実されていかれることを祈ります。

そしてマイケルからの返信。


ありがとうございます。
宮城谷さんの作品に出合って、中国の戦国時代の面白みを初めて知ったこともあり、大好きな作家です。
文の組み立てかたや漢字の使い方も味わい深く、自分の好みに合っているようです。
今回の対談は貴重な体験でした。「棋士の本棚」に出た事、ある囲碁ライターがその情報を文藝春秋の編集部に伝えた事など、様々な幸運と人の助けもあったと考えて感謝しています。「草原の風」を持参して、帰り際に宮城谷さんのサインを頂きました。いつもと逆の立場だったので、珍しく緊張しました。サインをもらう時のファンの気持ちが少しわかるような気がしました。

話は飛びますが、今中国では古い打碁集が現代語訳されるなど、古碁が見直されています。妻の牛仙仙は黄龍士という清代の打ち手の打碁集を日本語訳しました。私も手伝いながら解説図や棋譜の手順を確認するなど、その時代の中国ルールも自分なりに研究しました。清代は文化が栄えた時代だったようで、囲碁のレベルも思った以上に高いことに驚きました。今は編集の最終段階に入っていますので、来年出版の予定です。清流出版という出版社から出ます。ぜひご覧になって頂ければと思います。

今後ともよろしくお願いします。

マイケル レドモンド


亜Q

(2011.12.18)


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