彼女の“男らしさ”に惚れました〜水間七段が衝撃の告白

丈先生とベンヤミン君
水間俊文七段

 11月15日の千寿会にはテレビでお馴染みの水間俊文(みずま・としふみ)七段が登場。ダンディーな笑顔と美声で指導碁と解説役を務めてくれました。

 昭和48年2月8日生まれ、打ち盛りの30歳。出身地の奄美大島は泉二(もとじ)博士ら法曹界の重鎮を多く輩出しているそうですが、棋士は珍しい。「祖父が島でたった一つの碁会所を経営していたため、自然に碁と親しんだ」とのこと。小学校六年の頃、知り合いの勧めで1人上京。親戚の家に厄介になりながら独学で勉強を続け、晴れて20歳で入段。同期には加藤充志八段、山田規三生八段、黒滝正憲七段ら。師匠は大窪一玄九段、尊敬する棋士は加藤正夫、小林覚両九段だそうです。

 顔と声、もとい几帳面な性格を買われて、NHK棋戦で長いこと記録・秒読み係で活躍されたので、ご存知の方は多いはず。対局時間が大幅に延びると画面に手だけ映る着手係も務めたというから、テレビ露出率は棋士ナンバー1かもしれません。

 とは言え、失敗談も少なくなかったらしい。秒読みの最中に瞬間的に睡魔に襲われ、ハッとすると時計が20秒を過ぎているーーといった危機一髪を何回も味わったそうです。「自分は棋士なのに碁を見ると眠くなる性質で、枕元に睡眠薬代わりに難解な詰め碁の本を置いているほどです」とは正直なもの。囲碁番組を見ながらしょっちゅう居眠りしてご家族にからかわれているあなた、この話を聞いてほっとしませんか?

 困るのは持ち時間がなくなって30秒で打たなければならないのに、25秒、6、7、8と時計を読んでも石を持ってくれない棋士。林海峰、趙治勲ら、常連の大棋士に多いのだそうです。いけないとはわかっていても、ついつい秒読みがゆっくりになってしまうとのこと。まあ、気持ちはわかりますね。

 品行方正な好青年との印象とは裏腹に、碁界有数の力戦派・酒豪・勝負師。そして結婚相手は趣味のマージャンで射止めたと言うから、なかなかのやり手。囲碁ほどではないにしても、マージャンもかなり奥が深い知的なゲーム。運不運ばかりでなく、基本技術から高等戦術、さらに複数プレイヤーの心理作戦なども絡むゲームの傑作と言えるでしょう。もちろん棋士には名人クラスがあまた、覚九段やリッセー九段らが代表格だそうです。

 出会いは知人が招いてくれた仙台のマージャン大会。二歳年下の洋子(ひろこ)さんが数少ない女性選手として登場、「お、美人だ」と目をつけた彼女と一緒に卓を囲むうちに、冴え渡る打ちっぷり、きびきびとした決断ぶりを目の当たりにして、水間七段はすっかりとりこになったらしい。大会後の打ち上げパーティーでさっそくアタック、今年3月にゴールイン。いずみ&チョーウ、しょうこ&ケーゴ、なっちゃん&タカオ(さらにセーケン、キミオらも近日発表との噂)と、相次ぐ棋士のおめでたニュースの火付け役になった形の水間七段、「彼女の男らしさに惚れました」とは、率直なお人柄が表れていますね。

亜Q

(2003.11.17)


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