ペア戦レポート

千寿先生と宇田川ペア
千寿先生と宇田川ペア

11月17日(日)に、国際アマチュアペア囲碁選手権大会と同時開催された、荒木杯ハンデ戦に出場しました。その報告をしたいと思います。いつも千寿会に一緒にお邪魔している風太郎さん、前さんを含め、今年もたくさんの学生ペアが出場しました。なんといっても参加者の半数が女性であり、みなさんドレスアップなさっていて、とても華やかです。

ペア碁を打つ時にいつも考えることがあります。私がどんなに手を読んでみても、次の手はパートナーが打つわけであり、それが一致しないことがよくあります。私の場合はパートナーの棋力の方が大抵上なので、多くの場合それは私の考えた手よりよい手なのでしょう。

そんなことが重なると段々まじめに手を読むことに空しさを感じます。特にぎしぎしと石が競り合っている時など、大きなコウ材が私を誘惑します。「手番回しちゃおうかなぁ。」なんて。いやいや、これでは私がペア碁を打っている意味がありません。ということで自分の手番の時はペア碁であることを忘れることにしています。簡単に言ってしまえば「打ちたい手を打ってしまえー。」ということですね。

先日、パートナーはどんなことを考えているのかと聞いてみたところ、同様の答えが返ってきました。「パートナーがいることを思い出すと、疑心暗鬼になって何も打てない。」のだそうです。よく考えるとひどいことを言われているような気もしますが、お互い好き勝手にやってそれぞれ楽しければ、それでいいのかもしれません。

こんな暴走気味の我がペアはBブロック(ペアポイント0.5段~ 3.5段、ペアポイントは二人の段級位の平均)に出場しました。一局目は、お上品そうなおばさま、おじさまペアとの二子局でこちらが白番。私の趣味で猛烈に大石を取りにいったところ、よく見ると白の大石と難しい攻め合いに・・・と言っているうちに相手の時間が切れてしまいました。非常に心臓に悪い碁で既に二人ともくたくたです。

しかし休む間もなく二局目。三子局でこちらが白番。中盤、いかにも死にそうな石が出現。一生懸命読んで、会心の一手。実戦も私の読み通りに進んで、大石を仕留めました。しかし実は正しく打たれていると全く死ぬ石ではなく、パートナーは隣で呆れていたらしいのですが、私は大変満足でした。ここでお昼休み。

3局目
3局目

さてさて三局目。この辺から怖い相手とあたりだします。案の定、知り合いの学生ペアとあたってしまいました。ここが正念場と二人で燃えました。激しく石が競り合っている時に、私がとんでもない緩着を放ってしまい、相手の男性は小さくガッツポーズまでしていました。そこまでされたら負けるわけにはいきません。双方残り時間のほとんどない中、必死でよせて終局。ドキドキ整地すると、なんと一目残っていました。よかったぁ。なんとも言えない甘美な一瞬です。そう、これが堪らなくて囲碁を打っているのかもしれません。

そして最後、四局目。ここまで来たら負けられません。またまた学生ペア。女性の方は関東学生リーグ女子一部の主将戦でいつもあたっていたライバル。二人とも前局の興奮と疲労が抜けないまま、ともかく盤に向かいます。中盤過ぎ、何度も形勢判断します。パートナーも小さくうなずきながら、目算している様子。そして二人ともかなり非勢であることを認識。どこで勝負手を放とうか、と考えているうちに、相手が思わぬ一着を。どうやら相手のペアも形勢を悲観していたようです。なんとか無事にとがめて、勝つことができました。

初の全勝でした。といってもBブロックでは全勝ペアが6組出るので、あとはこれまでの対戦相手の健闘を祈るばかりです。結果は3位でした。とっても満足です。小さな楯とふとん乾燥機を賞品に頂きました。(この乾燥機を剥き出しで家まで持ち帰るのはかなり恥ずかしかったのですが。)

ハンデ戦なのでどなたでも気軽に参加できると思います。ぜひステキなパートナーを捕まえて、来年はチャレンジしてみてください。私は千寿会でもっとお勉強して、もうちょっと棋力アップして、今度はAブロックに出場したいと思っています。

宇田川理絵、東大OG

(2002.11.18)



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