杉の宿

9月14・15日、高梨聖健八段にも来て頂いて、囲碁の合宿を行った。場所は湯河原、幕山公園近くの杉の宿。
プロ棋士の秀行塾でも知られる碁や将棋の宿だ。最近は麻雀の客も多くなったという。もちろん普通のお客も宿泊する。
道を隔てて本館と新館。新館に泊まったが食事は本館まで行く。
二日目は午前中にチェックアウトして部屋を空けるが、午後3時まで碁を打つことができる。
二日目の朝、朝食は8時半なので、その前に一時間半ほど幕山公園を散策してきた。
宿のすぐ前、本館の隣から川沿いの細い公園状になっていて、その中の道を公園に向かう。

草に隠れた道なき道を歩いていると、女郎蜘蛛の巣がたくさんあった。この女郎蜘蛛はかなり大きかったので雌であろう。

人の声途絶えて歩く山里の彼岸の野辺に赤い花咲く  謫仙

さて、碁の話もしよう。
誰と打ったか忘れたが、次のようになった。

白▲で生きている。この形は死活の基本形である。黒1・白2を交換して、黒は他へ向かった。

ここで「白4・黒5を交換してはいけない」、とは高川囲碁読本にある。白は手を入れなければならず、後手になる。
ではこうなったら、黒はどうするのか。先月、某所で千寿先生に問われた。すぐにはどう打ったらいいのか判らなかった。実戦では間違えそうだ。
そのとき千寿先生が示してくれた一例。

この手順で劫にすることができるのだった。
実戦は後になってから、黒がおさえて、白は中に打って活きた。
こんな基本形でも碁は奥が深い。わたしなど白4・黒5の交換をしないよう気を付けるのみ。

謫仙(たくせん)

(2008.9.25)


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