『週刊新潮』にヤッシーの結婚記事が

めったに更新しない本欄に久しぶりに新ネタを投稿しようとしたら、何とわが国代表的な週刊誌『週刊新潮』が最新号(9月21日号)で、ヤッシー女流本因坊と金澤秀男七段の結婚話を1ページ割いて紹介しているではないか。棋士の結婚を週刊誌が取り上げるのは珍しい。何よりもめでたいし、喜ばしい。

しかし内容を読み進めると新潮らしいひねり、パンチがいま一つ感じられない。タイトルは「結婚」、サブタイトルは「三度の食事より『金澤七段』と『矢代女流本因坊』の切磋琢磨」。さっと読んだだけでは何を言いたいのかよくわからない。本文自体はとてもわかりやすいが、ひたすら行儀良く新聞の囲碁・将棋ページみたいなつくりだ。ひょっとすると、新人記者のトレーニング用に書かせたのかもしれない。

それはともかく、まだお読みでない方のために概要を手短かにまとめてみよう。棋士になったきっかけは二人とも父親がアマ高段者だったから。棋士経歴は略して、二人のそもそものなれ初めは若手棋士が渋谷区初台に集まって研究し合った「初台研究会」終了後の飲み会。「私にはない真面目さがあるし、自然体で話すことができた」とヤッシーが言えば、金澤七段は「彼女はいろいろと相談に乗ってくれるやさしさがあった」と返す。初デートは横浜の金沢八景島とは二人とも結構洒落心が旺盛らしい。

ちょっと待った!私はこの中で、名探偵コロンボさながらの“ビミョーな違和感”を感じ取った。確かヤッシーは、「二人が互いに意識し合うようになった」という7年前と同じ頃、『週刊碁』のコラム「ナチュラル通信」で「互いに人生相談までするような年下のメル友がいた」と書いていたのだ。ちなみにヤッシーは昭和51年7月生まれ、金澤七段は昭和50年12月生まれだから、金澤七段は「年下」ではない。多芸多才なヤッシーのことだから、この頃金澤7段だけではなく、年下の彼とも付き合っていたらしい。ま、だからどうというわけではないが。

このほかには、沖縄に何度か行った話、二人の対局の話、結婚式は来年2月以降にお預けする話(女流本因坊戦や海外での女流棋士の大会があるため)などがあるが、わざわざ紹介したくなるようなものはない。はて、『週刊新潮』はこんなに品が良かったかしら。

仕方がない。前に書いた原稿の中でたった1人の変人が「面白かった」と言ってくれた“ヤッシー・クイズ”でお茶を濁そう。「品がない」と叱られるのはもちろん覚悟の上だ。次の設問の中で正しいものと間違っているものがほぼ半数ずつあります。当ててみてください(ただし、2問は出題者の私自身、回答がわからない)。

1.血液型はB型、身長は169cmと公称しているが、実は170cm以上ある
2.無人島に本を1冊だけ持っていくとすれば、大矢浩一監修の「棋道・付録」
3.紅茶よりコーヒーが好きである
4.得意な持ち歌は山本リンダの「狙い撃ち」またはキャンディーズの「年下の男の子」
5.道策の碁を並べている最中に年下の彼のことを思い出したら、雷が落ちた。以後、「道策の雷」を恐れている
6.根拠がないことには他力にすがりたい。だから、握りの時に自分が丁か半かを当てるのはイヤ(どうせわからないなら白石を握りたい)
7.『ヒカルの碁』で最も感心したのは、(内容よりも)漫画家が石の艶まできちんと描いていること
8.文章の中でしばしば使う言葉は「思わず」と感嘆詞の「ああ」

亜Q

(2006.9.18)


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